どうも、OUTLANDです。

まぁ、今回の内容はみな感じていることだと思うけど。日記として書いてみたいと思う。

まず今住んでいるところには本屋が少ない。車で15分くらいかかる。そこに、久しぶりに行った。目的は、友人からナシム・タレブの新刊「身銭を切れ」がついに翻訳され出版されていると聞いたからだ。買う前に、時間もあったので立ち読みしに行こうと思って本屋を訪れた。

本屋に着き、カテゴリの看板を見ながら探す。この本は、自分では哲学カテゴリだと考えているが、統計学・投資・経済学とも密接に関わっている。そこで、手当たり次第に、それらのカテゴリの棚を探した。しかし、見つからなかった。世界の影響力のある100人にも選ばれるこのナシム・タレブの本がないなんて、この本屋は何を考えているんだ。と思いながらも、せっかく来たのだから、店員にも念のため尋ねてみた。

ただ、その時思ったのは、本のタイトルを言うのが恥ずかしいということだ。「身銭を切れ」英語のタイトルは「skin in the game」。日本語のタイトルはスタイリッシュな英語題と比べてダサい。前作の「反脆弱性」やその前の「ブラックスワン」はかっこよかったのにな。

自分「すみません、本を探しているんですが見つからなくて」
店員「分かりました、お探しします。本のタイトル口頭でよろしいですか?」
自分(書いた方が正確だし早いだろ・・・)「「身銭を切れ」です。」
店員「はぁ。身銭を切れですね。お探しします。」

しばらくして、
店員「すみませんが、見つからないのでこちらに書いてもらってもいいですか。」
自分(ほらほら・・)(書く。タイトルから、自分の思考が読まれるようで恥ずかしい。それに、Amazonで探さずに本屋で検索を頼む情弱感、必死感が恥ずかしい。)

しばらくして、
店員「申し訳ありません。本店舗には在庫はありませんでした。お取り寄せできますが、どうされますか。」
自分「いえ、大丈夫です。」

そして本屋を後にした。滞在時間、計25分。移動も合わせると計1時間ほど。生産性一切なし。恥ずかしさや徒労感など不快感。

帰り道思った。不便すぎる。もう本屋は終わったんだ。

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ひと昔前なら、この不便さは当たり前だったから、気にならなかっただろう。しかし、今ではAmazonがデフォルトになった。Amazonなら、専門書でも数多くある。移動時間も必要ない。
本屋の強みである、ザッピング、フルで立ち読みができること、も本がないんじゃどうしようもない。そういうリスクは大型店でなければある。そして、Amazonでもランキングやネットの併用でいくらでも口コミまでわかる。中身を少しだけ見ることもできる。

もはや、店舗型の本屋が残る余地はないように思う。今あることですら、不思議だ。
本屋からしたら、Amazonは黒船だ。そして、どうしたら勝てるのだろうか。店舗で勝てるような形態があるとしても、それはもはや従来の店舗型の本屋とは大きく乖離した姿のものだろう。

スマホの波は大きい。東北の大津波よりも大きく強く、今の産業構造を洗い流し変えてしまうだろう。
そして、これからのテクノロジーの進歩により、もう跡形もなくなってしまうのではないか。

昭和的なサービス(本屋、雑貨屋、新聞)などは廃れていくだろうが、すぐに全て消えるわけではないだろう。それは、テクノロジーについていけない高齢者の存在のためだ。彼らをターゲットにする以外、生き残る道はないだろうし、彼らに積極的にアプローチするかもしれない。しかし、それは全く根本的な解決にはならない。苦しい戦いだろう。テクノロジーの進歩を認め、時代の変化を受け入れ、消えゆくことを認めた方がはるかに楽なのに。もう、本屋の逃げ場は残念ながらないのだ。

これは、本当に恐ろしいことだ。
今までの職が無くなる。それで食えなくなる。そんなことが突然起こるのだ。本屋は何も悪いことをしていたわけではないのに。しかし、それが現実だ。お客を不快にさせず減点されるような何も悪い事をしなければ、うまくいく、というのは、もはや時代遅れの発想なのかもしれない。常に最高のものを目指し、更新しつづけていかなければいけない。しかも、それは自分のできる範囲で、ではなく、今誰も考えもつかないような快適さを目指し、実現させなければいけない。そんな事、多くの個人にはできるわけがない。勝者総取り、中流階級はますます減っていく。結局、みなスケールする業界で戦わなければいけないのだろう。しかし、Amazonにはもう勝てないだろう。小売りのAmazon に食われる人たちが憂き目を見るためには、早く負けを察知し、Amazonの株を購入していくことくらいだったのではないか。早く負けを認めることは金になる。勝気だけではいけない。

どの業界にも、本屋の苦悩は訪れる。

ちなみに、Amazon.jpがサービス開始したのが、2001年だそう。その時の株は15ドル。今は1800ドル。
2001年にAmazonを知っていたか?
あなたにITのスキルやリーダーシップがないとすれば。もし本屋をするならいち早くAmazonを知るためにするべきだったのだ。

このように、投資のためにその業界で働くというのは、どの業界の人にもできる発想の転換ではないだろうか。自分が考える、「個人事業主になって、経費使えるようになれば人生ヌルゲー。」というのはやや甘いかもしれない。もっと守りを強くするには、自分が勝てないと相手を認め、それに投資することかもしれない。


それじゃまた。